ネパール人は本当に辞めにくいのか|送金責任と借金構造から考える定着

ネパール人は本当に辞めにくいのか|送金責任と借金構造から考える定着

「外国人はすぐ辞めてしまうのではないか」——多くの企業が抱くこの不安や、「ネパール人は辞めにくい」という評判の根拠は、突き詰めると曖昧な伝聞に留まりがちです。

結論として、国籍別の離職率を示す公的統計は存在せず、「ネパール人は離職率が低い」と数字で言い切ることはできません

しかし、公的データから確かな事実も読み取れます。
出入国在留管理庁によると、技能実習生の失踪者数はピークの令和5年から2年で半分以下に減っており、その主な原因は「賃金の不払い」や「費用回収」といったお金の問題です。

外国人の定着を国民性ではなく経済構造から捉え直し、企業が設計できる対策を解説します。

執筆のG-Star HR Linkは、浜松市を拠点にネパール現地で自社学校を運営し、教育から紹介・定着支援まで一貫して行う人材紹介会社です。公的データと現場のリアルな視点を分けてお伝えします。

「外国人はすぐ辞める」は本当か|失踪者数の公的データで確認する

机に広げた統計資料を読み込みながら、外国人材の離職の実態を公的データで確認している場面

国籍別離職率に関する公的統計の現状

外国人労働者の「国籍別離職率」を示す公的統計は公表されていません

厚生労働省の「雇用動向調査」では入職・離職率が公表されているものの、離職者の集計属性は性別・年齢・学歴などに限られ、国籍は調査項目に含まれていません。

また、在籍者数を網羅的に把握する「外国人雇用状況の届出状況」も、各年10月末時点の国籍別・在留資格別などの在籍者数の集計にとどまり、離職率は算出できない仕組みになっています。

したがって、「特定国籍の離職率は○%」といった数値を見かけた際は注意が必要です。
それらは一企業の社内データや根拠のない伝聞である可能性が高く、全体傾向を表すものではありません。

公的な数値が存在しない前提を理解した上で、情報の発信元や根拠を慎重に見極めることが重要です。

数字で語れる唯一の手がかり:技能実習生の失踪者数

公的統計の中で「職場に定着しなかった傾向」を把握できる数少ない指標が、出入国在留管理庁が毎年公表する技能実習生の失踪者数です。

離職率とは異なりますが、定着しなかった極端な事例を全国規模で追える唯一のデータといえます。

なお、この失踪者数は近年大きく減少傾向にあります。

技能実習生数

失踪者数

失踪者数の割合

令和3年(2021年)

406,946人

7,167人

1.8%

令和4年(2022年)

463,188人

9,006人

1.9%

令和5年(2023年)

509,373人

9,753人

1.9%

令和6年(2024年)

552,936人

6,510人

1.2%

令和7年(2025年)

614,517人

3,950人

0.6%

出典: 出入国在留管理庁「技能実習生の失踪者数の推移」(令和8年7月公表・速報値)。技能実習生数は「前年末の在留技能実習生と当年に入国した又は新たに在留資格変更許可を受けた技能実習生の合計人数」。

令和5年に9,753人でピークだった失踪者数は、令和7年には3,950人へと大幅に減少しました。
全体の失踪率も1.9%から0.6%へと3分の1以下に低下しています。

受入人数が増加する中でのこの減少は、「失踪が増加している」という一般的なイメージとは異なり、定着環境の改善を示す重要なデータです。

国籍別の内訳に、ネパールは出てこない

同資料には国籍別の内訳もあります。
令和7年の失踪者3,950人の国籍別内訳を見ると、ベトナム(65.6%)、インドネシア(11.2%)、ミャンマー(10.1%)などの上位5か国で全体の95%以上を占めます。
公表されている上位10か国の中にネパールの名は含まれておらず、「その他」に分類されています。

この結果から「ネパール人は失踪しにくい」と結論付けたくなりますが、注意が必要です。
ネパールからの来日者はそもそも技能実習ではなく、留学や特定技能などの在留資格が主流であるという構造的な背景があるためです。

厚生労働省の資料(令和7年10月末時点)によると、ネパール人労働者235,874人のうち「技能実習」は1.9%(4,414人)にすぎず、最多は留学生アルバイト等の「資格外活動」で66.8%(157,546人)を占めます。

つまり、技能実習生の失踪統計はネパール人全体の1.9%しか反映していません。

産業別でも技能実習の多い製造業(11.4%)や建設業(1.5%)の比重は小さく、宿泊・飲食サービス業が29.3%で最多です。ネパール人は留学生や特定技能が中心の就労構造であることを理解する必要があります。

産業ごとの離職率の違いは、定着の評価に大きく影響します。
厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(令和7年8月26日公表)によると、全労働者の離職率は宿泊・飲食サービス業が25.1%で最多であり、製造業(9.6%)や建設業(10.0%)を大きく上回ります。

ネパール人材の約3割はこの離職率が高い産業に集中しているため、定着度を測る際は国籍ではなく「同業種の平均値」と比較することが重要です。

失踪の背景にあるのは性格ではなく「お金」|送出し費用と借金の構造

入管庁が挙げる2つの経済的な事情

出入国在留管理庁の資料「外国人技能実習生の失踪を発生させないために」では、失踪の原因を以下の2点に集約しています。

  • 受入企業側の不適切な取扱(賃金の不払いなど)

  • 実習生側の経済的事情(来日時の費用回収など)

出典: 出入国在留管理庁「外国人技能実習生の失踪を発生させないために」(受け入れ企業向けリーフレット。資料に公表時点の表示はありません)

監督官庁が注意を促す主な要因は、性格や忍耐力といった「国民性」ではなく、双方の「経済的負担」や「賃金問題」です。
定着に関する課題を国民性に帰結させてしまうと、根本的な解決策を見失うリスクがあります。

技能実習生の定着支援や環境改善に取り組む際は、精神論ではなく「費用負担と就労条件」という客観的な経済構造に着目することが不可欠です。

来日前に平均52万円を負担する構造

「入国時に支払った費用」の実態について、出入国在留管理庁が技能実習生約2,000名へ実施した調査によると、来日前に母国の送出機関等へ費用を支払った割合は85.3%に上ります。

支払総額の平均値は52万1,065円となっており、多くの実習生が来日時点ですでに高額な金銭的負担を抱えているのが現状です。

国籍

送出機関へ支払った費用総額の平均値

回答数

ベトナム

656,014円

632人

中国

578,326円

277人

カンボジア

571,560円

68人

ミャンマー

287,405円

80人

インドネシア

231,412円

242人

フィリピン

94,191円

37人

全体

521,065円

1,336人

出典: 出入国在留管理庁「技能実習生の支払い費用に関する実態調査の結果について」(聴取期間 令和3年12月10日〜令和4年4月末、有効回答2,184名)。金額は令和4年1月時点のレートで日本円に換算したもの。

この費用は自己資金ではなく借入で賄われるケースが多く、同調査では54.7%が母国で借金を抱えており、借金総額の平均は54万7,788円に上ります。

さらに、その68.8%が来日中に返済を開始し、9割以上が1〜2年以内に完済を目指します
来日直後の1〜2年間を重い返済負担の中で過ごさざるを得ないこの構造こそが、「より稼げる職場」への不法・不当な誘引に対する脆弱性を生み出す要因となっています。。

ネパールの送出し費用に関する実態と活用ポイント

先述の入管庁による調査対象国はベトナム・中国・インドネシア・フィリピン・ミャンマー・カンボジアの6か国であり、ネパールは含まれていません。現状「ネパール人が来日前にいくら支払っているか」を示す公的な実額データは存在しません。業界内で語られる具体的な金額も、その多くは個社の経験談にとどまります。

一方で現地の状況を見ると、ネパールでは高金利等の理由から教育ローンが利用しづらく、働きながら学費を工面して勉強する求職者が珍しくありません。朝の出勤前や終業後に自習を重ねるなど、自己投資に対して勤勉に取り組む傾向がうかがえます。

公的データがない以上、「借入負担が比較的軽ければ失踪リスクも低い」という見方はあくまで仮説です。しかし、監督官庁が示す「費用の負担感が定着に影響する」という構造自体はどの国籍でも共通します。

企業としては、国籍ごとの画一的なイメージで判断するのではなく、以下のアプローチをとることが現実的です。

  • 「費用負担の重さが定着を左右する」という一般則を理解する

  • 個別の候補者が負担している送出し費用の内訳や借入状況を、事前に紹介会社へ確認する

精神論ではなく、費用構造を可視化して捉えることが着実な定着支援につながります。

この論点に関しては制度側の見直しも進んでいます。2027年4月に施行される育成就労制度の基本方針(令和7年3月11日閣議決定)では、二国間取決めを通じた送出し費用の透明化が明記されました。

技能実習からの主な変更点は育成就労と技能実習の違い|転籍・日本語要件・キャリアパスの変更点で整理しています。

制度の全面施行を待たずとも、企業側は採用時に「求職者が来日までにいくら負担するのか」を人材紹介会社へ確認することが推奨されます。

費用の内訳を適切に把握・開示できない紹介会社であれば、その対応自体が信頼性を見極める大きな判断材料となります。
紹介会社の見極め方はネパール人材紹介会社の選び方|現地視察・手数料・責任の4チェックポイントにまとめました。

送金は定着装置にも離職装置にもなる|稼ぎ続ける理由が本人の側にある

銀行の窓口で母国の家族へ仕送りの手続きをする外国人材と、その背景に浮かぶ遠い故郷の家

「出稼ぎ」の背景と収入変動リスクを知る

日本で働く外国人労働者の多くは、自身の生活費だけでなく、母国の家族の生活費や教育費、医療費等を賄うために「送金」を行っています。

就労・定着の強い動機は、企業が与えるインセンティブ以前に、最初から本人の生活背景に備わっているといえます。

この構造は、企業にとって大きな意味を持ちます。

  • 定着の要因: 想定通りの収入が得られている限り、離職や転職の動機は発生しにくい

  • 離職の要因: 残業減少等で収入が想定を下回ると、「送金額の不足」に直結し、強い離脱圧力(転職・失踪)が生じる

送金額は現地の生活基盤に組み込まれているため、容易に減額できません
企業は「手取り収入の変動が直接的な離職リスクになる」という特有の構造を理解して雇用管理を行う必要があります。

現場における手取り・送金額の実感と孤立の背景

当社が静岡県浜松市で求職者や就職者と接する中での実態として、月手取り15万〜17万円程度のうち、10万円前後を母国へ送金しているケースが多く見られます。

手取りの半分以上を仕送りに充てる前提に立つと、生活費を極限まで切り詰める行動も納得できます。
食費の節約や休日の外出制限などにより、経済的な事情が職場や地域からの「孤立」を招く要因にもなっています。

ただし、離職の理由は金銭面だけではありません。
実際の現場では、「社内に相談できる人がいない」といった職場環境や人間関係の悩みが理由として挙がることも非常に多くあります。

定着を阻む背景には「経済構造」だけでなく、「孤立の解消やコミュニケーション支援の有無」も大きく影響している点を押さえることが重要です。

国民性や気質から見た特徴はネパール人の国民性と性格|数百人と面談してきた紹介会社が見た実像で扱っていますが、この記事で申し上げたいのは、気質の前に経済的な合理性が働いているということです。

ネパール人労働者は、この5年間で2.4倍に増えている

その合理性が現に働いていることは、統計にも表れています。

年(各年10月末時点)

ネパール人労働者数

対前年増加率

令和3年(2021年)

98,260人

-1.4%

令和4年(2022年)

118,196人

20.3%

令和5年(2023年)

145,587人

23.2%

令和6年(2024年)

187,657人

28.9%

令和7年(2025年)

235,874人

25.7%

出典: 厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」(令和8年1月30日公表)

国籍別ではベトナム(605,906人)、中国(431,949人)、フィリピン(260,869人)に次ぐ第4位です。

外国人労働者全体が過去最多の2,571,037人(前年比11.7%増)となるなか、ネパールは25.7%増と全体を大きく上回るペースで伸びています。

在留者数で見ても、令和7年末現在のネパール人在留者は300,992人(前年末比67,949人増)で国籍・地域別の第5位、静岡県内でも在留外国人132,100人のうち7,524人を占めます(出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」)。

この急増は採用機会の拡大を意味する一方、採用競争の激化を示しています。
育成就労制度では本人意向の転籍が認められるため、労働条件が劣る職場は選ばれなくなる動きが今後さらに加速していきます。

ネパール人材の採用、まずは現状をお聞かせください

ネパール現地に自社の日本語学校・トレーニングセンターを持つ G-Star HR Link が、
貴社のご要望に合わせ、最適な在留資格とスケジュールを無料相談でご提案します。

30分の無料相談を申し込む →

企業側でできる定着の設計|構造を踏まえた待遇のつくり方

小さな工場の事務所で、賃金とシフトの計画を並べて検討している経営者と人事担当者

1. 給与を「説明できる」状態にする

企業がまず取り組むべきは、本人が実生活で手にする「手取り額」を正確に理解できる状態をつくることです。

実務においては、以下の3点が推奨されます。

  • 手取り目安の説明: 雇用条件書を母国語等で用意し、総支給額だけでなく控除後の手取り額まで説明する

  • 初回収入時の明細確認: 初回の給与支給日に明細を一緒に見ながら、控除項目を1行ずつ説明する

  • 将来の控除増の予告: 2年目から発生する住民税など、将来的な控除を事前に伝えておく

就労トラブルの多くは「金額の低さ」ではなく、「聞いていなかった」という認識の不一致から発生します。

2. 収入の「予測可能性」を設計する

送金を前提として生活する外国人労働者にとって、月々の手取り額が大きく乱高下することは極めて大きなリスクとなります。

たとえ年収が同等であっても、繁忙期と閑散期で残業時間に極端な差がある職場は離職につながりやすい傾向があります。

企業側に求められる具体的な対策は以下の通りです。

  • 年間の繁閑変動の提示: 採用時点で年間の仕事量の波(繁閑カーブ)を開示する

  • 「残業なし」の手取り明記: 残業ありきの収入見込みではなく、残業が全く発生しない月の基本手取り額を併記する

  • 閑散期対策の事前共有: 閑散期にどのような稼働・働き方になるのか、本人とあらかじめ相談しておく

問題となるのは「残業が多い月があること」ではなく、「予告なく残業が激減・消失する月があること」です。
収入の予測可能性を担保することが定着率向上への鍵となります。

3. 昇給とキャリアパスを「在留資格」とセットで示す

定着に大きく寄与するのが、数年先までの「収入とキャリアの将来像」を提示することです。

外国人労働者にとって、在留資格のステップアップ(育成就労や技能実習から特定技能1号・2号への移行)は、収入増加とキャリア形成そのものを意味します。

具体的には、入社時に「どの試験に合格すれば、いつ・どのくらい待遇が上がるのか」というロードマップを示しておくことが有効です。

明確な基準があれば、他社から目先の高条件を提示された際も「長期的なキャリアと収入」を優先して踏みとどまる判断が生まれます。

逆に、成長の階段が見えない職場では、目先の僅かな給与差がそのまま離職理由になってしまいます。

提示する資料は複雑である必要はありません。
「試験・評価基準・昇給額・時期」を明記した紙を1枚用意するだけで、面談時にも明確かつ一貫した説明が可能になります。

4. 職場の外の「居場所」を費用負担なしで提供する

待遇面の改善に加え、生活面での「孤立対策」も不可欠です。
母国への送金のために生活費を限界まで節約している層は、自費で外出したり交流したりする機会を控えがちであり、休日は寮で過ごすのみというケースも珍しくありません。

当社では、静岡県浜松市にある自社カフェを活用し、月1回のネパール人交流会を完全無料で実施しています。
参加費や飲食費を企業側で負担しているのは、わずかでも本人に費用負担が生じた瞬間、送金を優先して参加を諦めてしまうためです。

経済的負担をかけずに地域やコミュニティとつながれる「第3の居場所」を用意することが、精神的な孤立を防ぎ、長期的な定着へとつながります。
この「職場の外の居場所づくり」の設計は外国人材が定着する会社の共通点|孤立を防ぐ「職場の外」の居場所づくりで詳しく解説しています。

最後に:「国籍」ではなく「構造と個人」に向き合う

本記事で解説してきた内容は、あくまで「外国人労働者が置かれている経済的構造」であり、特定の国籍に帰属する性質ではありません。

同じネパール出身であっても、出身地域や学歴、就労ルートによって背景は一人ひとり異なります

「ネパール人は真面目だから定着する」といったステレオタイプな理解は、目の前のアビリティや適性を見極める妨げになり兼ねません。

実務において重要なのは、国籍で判断するのではなく、業務内容や待遇を具体的に提示した上で適性を確認することです。

なお、家庭環境や来日費用などの個人的背景は公正採用の観点から選考基準とはせず、定着支援のための前提理解として活用することが望まれます(線引きの実務はネパール人材の面接で見るべきポイントで整理しています)。

費用は紹介会社に確認し、生活面の個別事情は内定後の受け入れ準備で本人と相談してください。

採用判断の全体像はネパール人採用のメリット・デメリット|統計4指標と現場経験で判断するにまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 仕送りの負担が重い人は、むしろ離職・転職しやすいのでは?

A. その通りです。送金責任は「定着」と「離職」の双方の要因になり得ます。
想定通りの収入が安定して得られている間は「辞めない理由」として機能しますが、手取りが想定を下回った瞬間に「より高条件の職場を探す理由」へと反転します。
そのため、月ごとの給与変動幅を最小限に抑え、収入の安定性を確保することが有効な定着策となります。

Q2. 紹介会社へ「送出し費用」を確認する際、どのような点を把握すべきですか?

A. 単なる「総額」だけでなく、詳細な内訳と費用の発生状況まで確認することが重要です。
具体的には、以下の4点を確認してください。

  • 負担総額: 候補者が来日までに支払う費用の総計

  • 費用内訳: 日本語教育費、健康診断費、渡航費、現地手続き費用などの内訳(※特定技能の場合、本人への支援費用の直接・間接負担が禁止されているため、「支援費」名目の請求がないかも要確認)

  • 借入の有無: 借金がある場合の金額および返済期間

  • 説明状況: 上記の費用構造を「誰が・いつ」候補者へ説明したか

「現地のことなので分からない」といった回答が返ってくる場合、その紹介会社は来日前の実態を把握できていないことを意味し、企業側にとっては取引の信頼性を見極める一つの判断材料となります。

なお自社の定着度合いの測り方は外国人材が定着する会社の共通点|孤立を防ぐ「職場の外」の居場所づくりで扱っています。

まとめ

  • 「国籍別の離職率」の公的統計は非公表
    「ネパール人の離職率は〇%」といった数値を見かけた際は、必ず出典と根拠を確認する。

  • 技能実習生の失踪者数は大幅に減少
    追跡可能な「技能実習生の失踪者数」は、令和7年時点で3,950人(割合0.6%)となり、ピークだった令和5年(9,753人・1.9%)から大きく改善(入管庁・速報値)。

  • 離職・失踪の主要因は「経済的理由」
    入管庁が挙げる主な失踪要因は「賃金等の不払い」と「入国時費用の回収」であり、国籍や国民性ではなく金銭構造に起因。

  • ネパールの来日前負担額には公的データがない
    技能実習生の平均来日費用は52万1,065円(令和3〜4年調査)、この調査対象にネパールは含まれておらず、実額を示す公的裏付けはない。

  • 離職傾向は「業種」と「在留資格」に依存する
    ネパール人労働者の約3割が離職率の高い宿泊・飲食サービス業に従事しているが、その大半は資格外活動(アルバイト)の留学生(66.8%)。企業が特定技能等で雇用する層とは母集団が異なるため、自社の定着率は同業種の平均と比較・評価すべき。

  • 企業が講じるべき4つの定着施策

    1. 手取り額の透明化・可視化

    2. 収入の予測可能性の担保

    3. 在留資格と連動したキャリアパスの提示

    4. 費用負担のない外部の居場所の提供

離職リスクは国籍ではなく構造と環境で決まるため、面談等を通して「目の前の一人の状況・背景」を個別に把握することが重要。

次に読むべき記事

「辞めない人」を探すより、「辞める理由」を減らす設計を

定着のご相談で「どの国の人が辞めにくいか」を聞かれることが多くあります。

しかし本記事で示した通り、離職の要因は国籍ではなく、費用や借金・送金といった「経済構造」や「就労条件の説明不足」にあります。

つまり離職理由の多くは、採用前・入社直後の工夫で減らすことが可能です。

当社はネパール現地に自社校を構え、来日前教育から来日後の生活支援まで一貫してサポートしています。
現場で本人から直接聞き取った「費用負担や送金額の実情」など、具体的な数値に基づく採用・定着設計のご提案が可能です。

現在の給与条件での採用や定着施策にお悩みの企業様は、お問い合わせからお気軽にご相談ください。