1号特定技能外国人支援計画の書き方|様式1-17号の10項目を埋める

1号特定技能外国人支援計画の書き方|様式1-17号の10項目を埋める

特定技能1号で外国人材を受け入れると決めたあと、社内で最初に「これは誰が書くのか」と止まりやすいのが、参考様式第1-17号「1号特定技能外国人支援計画書」です。

出入国在留管理庁の現行様式では、支援対象者や受入れ機関の情報に加え、支援の内容を具体的に記載する欄が設けられています。

特定技能の必要書類と申請手続きの流れ|つまずきやすい7つのポイントで雇用条件書などと違い、この書類は単に決まった情報を転記するだけではありません。

義務的支援10項目について、いつ実施するのか、誰が担当するのか、委託するのか、どのような方法・言語で行うのかなどを、一つずつ決めて記入していきます。
現在の様式では、これらの支援内容が9つの記入ブロックに整理されています。

さらに、2025年4月からは、地方公共団体が実施する共生施策を確認して計画に反映する「Ⅴ 共生施策関係」も加わりました。

行政書士や登録支援機関に作成を任せることもできますが、ここに記載する内容は、その後の支援の進め方に関わります。

この記事では、第1-17号の各欄が何を意味し、何を決めてから記入すればよいのかを、出入国在留管理庁の運用要領と様式の記載方法に沿って整理します。

なお、自社支援と登録支援機関への委託のどちらを選ぶかについては、別記事特定技能の支援は自社と委託のどちらを選ぶか|要件と工数で判断するで扱っています。
まだ決まっていない方は、先にそちらをご覧ください。

この記事を執筆するG-Star HR Linkは、ネパール人材の紹介と受け入れ支援を行う登録支援機関です。
支援計画書を作成する側と、計画に沿って支援を実施する側の両方の経験から、書き方だけでなく、その後の運用まで踏み込んで解説します。

支援計画は「申請書類」であると同時に「運用の設計図」

設計図をなぞるように支援計画を組み立てていく様子を表した抽象的な構図

書き方に入る前に、この書類の性格を押さえておきましょう。

支援を全部委託しても、作成義務は受入れ企業に残る

特定技能1号の外国人と雇用契約を結ぶ特定技能所属機関(受入れ企業)は、入管法第2条の5第6項に基づき、1号特定技能外国人支援計画を作成し、在留諸申請の際に提出する必要があります。

ここで注意したいのが、支援の全部を登録支援機関に委託する場合です。
全部委託でも、支援計画の作成者は受入れ企業です。

運用要領も、委託先の援助を受けて作成することは差し支えないとしています。
つまり、実施は委託できても、計画の作成主体は受入れ企業のままです。
実務上は登録支援機関が下書きを作る場合でも、最終的な計画は受入れ企業が作成します。

提出したあとも、支援計画は運用の基準になる

支援計画書は、在留申請が終われば役目を終える書類ではありません。

計画に記載した支援内容や実施予定時期などは、その後の支援を行う際の基準になります。
計画を変更した場合、法務省令で定める軽微な変更を除き、変更日から14日以内の届出が必要です。
また、計画どおりに支援を実施することが困難になった場合も、別途届出の対象となります。

さらに、義務的支援はすべて計画に記載して実施する必要があります。
任意的支援も、計画に記載した場合には支援義務が生じます。
良かれと思って書き足した内容も義務になり得るため、実際に継続して実施できる内容に絞ることが重要です。

支援計画は、日本語と本人が十分に理解できる言語で作成

支援計画は、日本語だけで作ればよいわけではありません。

省令は、日本語に加えて、当該1号特定技能外国人が「十分に理解することができる言語」で作成し、その写しを本人に交付するよう定めています。

この言語は母国語に限られません。
運用要領では、「当該外国人が内容を余すことなく理解できるもの」とされています。
つまり、国籍ではなく、本人が内容を十分に理解できるかで判断します。

出入国在留管理庁は、1号特定技能外国人支援計画書について10か国語の翻訳様式を公開しており、ネパール語も含まれています。
対象となる外国人がネパール人であれば、公式のネパール語様式を使う方法が確実です。

支援計画の詳しい記載内容は「運用要領別冊」で確認

支援計画を調べるときに注意したいのが、運用要領の「本体」と「別冊」の役割分担です。
特定技能外国人受入れに関する運用要領の第6章第1節には、支援計画の作成や提出について記載されていますが、記載事項や内容等については「本要領別冊(支援)を参照してください」と明記されています。

具体的な支援内容や基準を確認するときに読むのが、出入国在留管理庁の1号特定技能外国人支援に関する運用要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について-(運用要領別冊)です。

本記事では、原則としてこの別冊を基準に解説します。

様式1-17号を上から順に埋める|Ⅰ〜Ⅴ欄の記載事項

支援計画の記載欄を1つずつ埋めていく日本人担当者の手元のクローズアップ

参考様式第1-17号はⅠ~Ⅴの5つの欄で構成されています。ここから上から順に見ていきます。

Ⅰ欄・Ⅱ欄・Ⅲ欄は「誰の計画で、誰が実施するのか」

Ⅰ欄(支援対象者)
氏名・性別・生年月日・国籍・地域の4項目です。
複数名を同時に申請し、支援内容が同一の場合は、氏名欄に「別紙の名簿のとおり」と記載し、必要事項を記載した名簿(任意様式)を添付できます。
ただし、同時申請の場合に限られます。

Ⅱ欄(特定技能所属機関)
受入れ企業の情報です。
名称・住所・支援を行う事務所の所在地に加え、支援業務を自社で行う場合は、支援責任者、支援担当者数、支援を行っている1号特定技能外国人数、支援の中立性を確保していることの有無などを記載します。
Ⅱ欄4は自社で支援を実施する場合のみ記載します。

Ⅲ欄(登録支援機関)
支援計画の全部を登録支援機関に委託する場合のみ記載します。
登録番号・登録年月日・名称・住所・代表者、支援を行う事務所、支援責任者などを記載します。
登録番号や登録年月日は、入管庁の登録支援機関登録簿でも確認できます。
委託先の選び方は登録支援機関とは|義務的支援10項目・費用・選び方を登録支援機関が解説にまとめています。

Ⅳ欄は、10項目の義務的支援を9つの番号に整理

「義務的支援10項目」なのに、参考様式第1-17号のⅣ欄は1~9までしかありません。
これは記載漏れではなく、省令上の10項目を様式上9つのブロックに整理しているためです。

省令第3条第1項第1号

支援の内容

様式1-17号Ⅳ欄

イ

事前ガイダンスの提供

Ⅳ1(ア情報提供内容等/イ実施言語/ウ実施予定時間)

ロ

出入国する際の送迎

Ⅳ2

ハ(前段)

適切な住居の確保に係る支援

Ⅳ3ア

ハ(後段)

生活に必要な契約に係る支援(口座開設・携帯電話・ライフライン)

Ⅳ3イ

ニ

生活オリエンテーションの実施(6分野の情報提供)

Ⅳ4(ア情報提供内容等/イ実施言語/ウ実施予定時間)

ホ

公的手続等への同行

Ⅳ4アb(ニ(2)と同じ行に統合)

ヘ

日本語学習の機会の提供

Ⅳ5

ト

相談または苦情への対応

Ⅳ6(ア対応内容等/イ実施方法・対応時間/ウ実施言語)

チ

日本人との交流促進に係る支援

Ⅳ7

リ

非自発的離職時の転職支援

Ⅳ8

ヌ

定期的な面談の実施、行政機関への通報

Ⅳ9(ア面談内容等/イ実施言語)

出典: 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(運用要領別冊・令和7年4月1日一部改正)第2、および「特定技能関係の申請・届出様式一覧」掲載の参考様式第1-17号記載例より作成

9つに見える理由は、「ハ」が住居確保と生活契約支援の2つを含むこと、そして「ホ」が独立した番号ではなくⅣ4の中に入っていることです。
特に後者は、10項目を数える際に見落としやすい箇所です。

Ⅳ欄の各行で確認する基本項目

Ⅳ欄1~9には、共通する項目と、支援内容ごとの固有欄があります。
基本となるのは次の項目です。

  • 実施予定——「有」は実施時期を簡潔に記載。「無」は実施しない理由を括弧内に記載します

  • 委託の有無——一部を第三者に委託する場合のみ「有」。自社実施や登録支援機関への全部委託は「無」です

  • 支援担当者または委託を受けた実施担当者の氏名(役職)——自社実施と全部委託の場合は、選任した支援担当者の氏名と役職を項目ごとに書きます

  • 住所——委託を受けた第三者が実施する場合のみ記載します

  • 実施方法——Ⅳ1~4、9は該当する方法にチェックします

加えて、Ⅳ1・4・6・9には実施言語、Ⅳ1・4には実施予定時間などの固有欄があります。

Ⅴ欄「共生施策関係」は、自治体の情報を確認して記載

Ⅴ欄は、2025年4月から加わった「共生施策関係」の欄です。
支援計画の作成・実施に当たっては、1号特定技能外国人が活動する事業所の所在地と住居地の地方公共団体が実施する共生施策を確認し、それを踏まえて支援計画を作成・実施する必要があります。
両者の市区町村が異なる場合は、それぞれを確認します。

様式では、確認した市区町村名に加え、確認日と確認方法を記載します。
確認方法は「ホームページ」が基本とされ、「その他の方法」も選択できます。
対象となる共生施策には、行政サービス、交通・ごみ出しのルール、医療・公衆衛生、防災訓練・災害対応、地域イベント、日本語教室などが例示されています。

さらに、Ⅴ欄に自治体名を書いて終わりではありません。
確認した共生施策を踏まえ、Ⅳ欄の自由記載欄に具体的な支援内容を記載する必要があります。
例えば、市区町村の日本語教室を把握したうえで、相談があれば案内する、といった記載です。

末尾の署名欄は、本人の理解を確認するためのもの

末尾には、特定技能所属機関の名称・作成責任者、本人が翻訳文の交付と説明を受け、内容を十分理解した旨の確認欄、署名日・署名欄があります。

さらに、定期面談を対面・オンラインのどちらで希望するかを本人が選択します。
翻訳文を交付し、内容を説明したうえで本人の理解を確認することが重要です。

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支援計画でつまずきやすい欄|実施言語・時間・担当者

同じ書類の日本語版と多言語版を並べてネパール人材に説明している面談の場面

ここからは、申請時だけでなく受入れ後の運用にも影響する記載欄を解説します。
特に実施言語・実施予定時間・支援責任者と支援担当者は、変更時の届出にも関わるため注意が必要です。

実施言語の記載が必要なのは4つの支援

すべての支援を外国語で行う必要があるわけではありません。
特定技能基準省令第4条第3号が「外国人が十分に理解することができる言語」による実施を求めているのは、第3条第1項第1号のイ(事前ガイダンス)、ニ(生活オリエンテーション)、ト(相談・苦情への対応)、ヌ(定期的な面談に限る)です。
そのため、様式の実施言語欄もⅣ1・4・6・9に設けられています。

外部の通訳者を利用する場合は、様式に所属・氏名を記載する欄があります。
翻訳機の活用も可能ですが、運用要領別冊は、込み入った相談や苦情対応では通訳人の介在が不可欠としています。

なお、日本語能力があることと、支援を日本語だけで実施できることは別問題です。
実施言語は、本人が支援内容を十分に理解できるかという基準から判断します。

実施予定時間には、運用要領が示す目安がある

Ⅳ1ウ・Ⅳ4ウは自由記入ですが、運用要領別冊には次の目安があります。

  • 事前ガイダンス——必要な事項を十分理解するため「3時間程度」が必要とされます。一定の場合でも、1時間に満たないような実施では適切とはいえないとされています

  • 生活オリエンテーション——「少なくとも8時間以上」が必要とされます。生活環境に変化がない場合でも、4時間に満たないような実施では適切とはいえないとされています

これは記載方法だけでなく、実際の工数にも関わります。
通訳を介する場合は時間も見込んで、担当者の確保や日程を組む必要があります。

見積もりの具体は特定技能の支援は自社と委託のどちらを選ぶか|要件と工数で判断するで扱っています。

事前ガイダンスは、在留資格認定証明書の交付申請前、在留中の外国人なら在留資格変更申請前に行う必要があります。
別冊では、雇用契約締結時以前の実施が望ましいとされています。
対面またはテレビ電話等で本人確認を行って実施し、文書の郵送やメール送信だけでは認められません。

なお、申請前に済ませておくものとしては分野別協議会の加入手続き|在留申請の前に済ませる新ルールと所要期間もあります。

定期面談をオンラインで行うなら、同意・録画・対面切替が必要

Ⅳ9アaでは、定期面談の実施方法として「対面」「オンライン」を選択できます。
オンラインを選ぶ場合、次の条件があります。

  • 本人と監督者の同意——本人は支援計画書の記載・末尾の署名欄、監督者は任意様式で確認します

  • 録画・保存——面談を録画し、雇用契約終了日から1年以上保管。入管から求められれば閲覧に応じます

  • 対面への切替——同意がない、本人が対面を希望する、業務・待遇・保護上の問題や第三者の介入が疑われる場合は、対面で実施します

なお、受入れ後初回や担当者変更後初回は対面が望ましく、オンラインを活用する場合も年1回以上の対面実施が望ましいとされています。

面談自体は3か月に1回以上で、オンラインでも頻度は変わりません。
既存計画をオンラインに変更する場合の変更届は不要ですが、同意確認書面は保存が必要です。

支援責任者と支援担当者は兼任できる|中立性で注意したい基準

Ⅱ欄4やⅣ欄に記載する支援責任者・支援担当者には、それぞれ基準があります。

支援責任者は、特定技能所属機関の役員・職員で、支援担当者を監督する立場の者。
支援担当者は、支援計画に沿って支援を行う役職員で、特定技能外国人が活動する事業所ごとに1名以上を選任します。
支援責任者が支援担当者を兼任することも可能ですが、兼任する場合も、双方の基準を満たす必要があります。

中立性で確認したいのが、Ⅱ欄4の「支援の中立性を確保していることの有無」です。
支援責任者・支援担当者は、1号特定技能外国人を監督する立場になく、中立的に支援を実施できる者でなければなりません。

ここで注意したいのが、単に「別部署ならよい」わけではないことです。
運用要領は、形式上は異なる部署でも、代表取締役や、外国人が所属する部署を監督する長(例えば製造部長)など、組織図上の縦のラインにある者は適格性がないとしています。

中小企業では人員が限られるため、社長や製造部長を置きたくなりますが、まず指揮命令関係を確認することが重要です。
総務・経理・人事など、外国人の所属部署と指揮命令系統が異なる職員を選ぶ方法も考えられます。

委託の有無欄|一部委託はできるが、定期面談と通報は別扱い

そもそも誰に何を頼めるのかは監理団体・登録支援機関・人材紹介会社の違い|どこに何を頼めるのかで整理していますが、1号特定技能外国人支援の一部を第三者に委託すること自体は可能です。

ただし、その場合は特定技能所属機関自身が、支援計画を適正に実施できる体制の基準を満たしている必要があります。
全部の実施を登録支援機関に委託した場合に限り、この基準に適合するものとみなされるためです。

さらに、一部委託には例外があります。
特定技能基準省令第3条第1項第1号ヌの「定期的な面談の実施、行政機関への通報」は、第三者への委託が認められていません。
定期面談は支援責任者または支援担当者が実施し、通訳人等を履行補助として同席させることはできます。
したがって、「面談だけ外部の通訳会社に任せる」という組み方はできません。

Ⅳ3アdの住居欄は、数字だけでなく計算根拠まで書く

住居欄は、単に「住居を確保している」と答えるだけではありません。
居室の広さについては、原則として1人当たり7.5㎡以上が必要で、複数人が住む場合は居室全体の面積を人数で除して判断します。ロフト等は算定対象に含まれません。

技能実習2号等からの変更で、申請時点ですでに確保している住居に引き続き居住する場合は、寝室1人当たり4.5㎡以上とする例外があります。
このため、Ⅳ3アdには広さについて2つのチェックがあります。

さらに居住費を徴収する場合は、①徴収の有無、②月額、③自己所有か借上げか、④その額が適正であることの説明を記載します。
借上物件なら、管理費・共益費を含む借上げ費用を入居する特定技能外国人の人数で除した額以内であることを説明します。

なお、義務的支援の費用を本人に負担させることはできず、家賃債務保証業者の保証料も所属機関等の負担です。

住居まわりの段取りは外国人材の受け入れ準備チェックリスト|住居・Wi-Fi・スマホの技適までにまとめています。

計画どおりにできないときの届出|変更届と実施困難の届出

支援計画と実際の支援内容が変わったときに必要な「変更の届出」と「実施困難の届出」まで、様式の使い方として解説します。

2つの届出は、目的がまったく違います

項目

支援計画変更に係る届出

支援計画の実施困難に係る届出

使う場面

支援計画の内容を変更したとき(法務省令で定める軽微な変更を除く)

支援計画に基づく支援について実施困難となる事由が生じたとき

様式

参考様式第3-2号(変更後の支援計画書を添付)

参考様式第3-7号

期限

変更した日から14日以内

認知した日から14日以内

全部委託しているとき

受入れ企業が届け出る

受入れ企業の届出は不要(登録支援機関が参考様式第4-3号で報告)

提出方法

電子届出システム、または管轄の地方出入国在留管理局

電子届出システム、または管轄の地方出入国在留管理局

出典: 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月)第7章第2節・第6節

支援計画の変更届|「この程度なら不要」が危ない

運用要領第7章第2節の別表には、届出対象となる変更事項が示されています。

ただし、別表はあくまで具体例であり、記載されたものに限られません。
「載っていないから届出不要」とは判断できない点に注意が必要です。

Ⅱ欄では、支援責任者の役職変更・選任・退任、支援担当者数の減少、婚姻・転籍・役職変更等によって「支援の中立性を確保していることの有無」に変更が生じた場合が対象です。
氏名だけの変更は届出不要です。

Ⅳ欄では、支援内容、実施予定の「無」への変更、支援担当者の役職・交代、委託の有無・委託先、実施方法の変更に加え、Ⅳ1・4・6・9の実施言語、Ⅳ4の実施予定時間、Ⅳ9の実施予定時期の変更も届出対象です。

支援担当者の異動も届出対象です。
人事異動で担当者が替われば、原則14日以内に支援計画変更の届出が必要になります。
支援計画書は変更部分のみの記載・添付で差し支えません。

自社実施から委託へ、または委託終了で自社実施へ切り替える場合は、支援委託契約の終了・締結に係る届出(参考様式第3-3-2号)も必要です。

実施困難の届出|「できなかった」だけではありません

この届出は、名前から想像するより対象が広く、主に次の2つです。

  • 支援を実施できなかった場合
    支援計画に記載した支援を実施できなかった場合が対象です。
    本人の申出で実施しなかった場合は対象外ですが、申出があったことの記録は保管します。

  • 社内で解決できず、外部機関に相談等をした場合
    定期面談や相談で問題を把握し、社内での解決が困難なため、行政機関等に相談等を行った場合も対象です。
    非自発的離職に伴うハローワークへの転職相談などを含み、生活上の行政手続への付き添いは含みません。

届出時は相談内容・対応結果を記載し、相談記録書(第5-4号)の写しを添付します。
転職支援なら第5-12号、実施困難となった支援には第5-13号も提出します。

日々の記録が、届出の添付書類になる

  • 事前ガイダンスの確認書(第5-9号)——実施後、本人の確認を得て署名を残します

  • 生活オリエンテーションの確認書(第5-8号)——同様に本人の確認・署名を記録します

  • 相談記録書(第5-4号)——相談・苦情への対応内容を記録します

  • 定期面談報告書(第5-5号・第5-6号)——本人用と監督者用の2種類があり、問題の有無にかかわらず作成します

これらを支援の都度残しておけば、随時届出で資料が必要になったときにも対応しやすくなります。
記録を後から作るのではなく、日々の支援と同時に残すことが重要です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 支援計画書は行政書士に作ってもらえますか?

A.行政書士に書類作成を依頼することはできます。
ただし、支援計画の作成主体は特定技能所属機関です。全部委託の場合でも同じです。
下書きを誰に依頼しても、記載した実施時期・言語・時間・担当者は自社の計画として運用し、変更時には届出が必要になります。
内容を自社で説明・実施できる状態で提出することが重要です。

Q2. 技能実習から特定技能に切り替える場合も、支援計画は必要ですか?

A.記載は必要です。
既に済んでいて明らかに不要な支援は、実施予定を「無」とし、理由を記載できます。既に確保した住居への継続居住や、口座開設等を済ませている場合が該当します。

一方、事前ガイダンスと生活オリエンテーションは、同一機関で継続雇用する場合も実施が必要で、それぞれ1時間以上、4時間以上が目安です。

Q3. 支援責任者と支援担当者は兼任できますか?

A.兼任できます。
ただし、双方の基準を満たす必要があります。
支援担当者は事業所ごとに1名以上が必要なため、複数事業所を責任者1名だけで兼ねることはできません。
双方に中立性も求められます。

Q4.支援計画書に書いた実施予定時期どおりに支援しないと違反ですか?

A.必ずしも記載した日付どおりでなければならないわけではありません。
様式は実施時期を簡潔に記載するもので、「適宜実施」「認知次第実施」などの記載例もあります。

ただし、定期面談は3か月に1回以上という頻度を満たす必要があります。
予定した支援が実施困難となった場合は、届出が必要になることがあります。

まとめ

  • 作成主体は受入れ企業
    全部委託しても、支援計画の作成主体は移らず、委託できるのは支援の実施。

  • 義務的支援の10項目は9ブロックに整理
    公的手続への同行など、別項目が同じブロックに入るため、抜けに注意。

  • 言語・時間の記載も確認が必要
    実施言語は対象となる4項目に、事前ガイダンスは3時間程度、生活オリエンテーションは8時間以上を基本に記載。

  • 担当者の選任は中立性まで考える
    支援責任者と担当者は兼任できますが、外国人を監督する立場の者などは適格性に注意が必要。

  • Ⅴ欄は事業所所在地と住居地を確認
    両方の市区町村の共生施策を確認し、支援への反映内容は各支援の自由記入欄等に記載。

  • 変更・実施困難は14日以内
    支援担当者の交代も変更届の対象になる。

次に読むべき記事

支援計画は「書ける」より「続けられる」が大切です

支援計画は、様式を埋めて提出すれば終わりではありません。
実施言語を誰に合わせるか、支援担当者を誰にするか、面談をどう実施するか。
重要なのは、書いた内容を半年後、1年後も無理なく続けられるかです。

当社は、人材紹介会社であると同時に登録支援機関として、ネパール人材の紹介から支援の実施まで一貫して対応しています。
「この欄はどう書けば自社の体制に合うか」「担当者は誰にするべきか」といった、様式を埋める前のご相談も可能です。
お問い合わせから、自社の場合に置き換えて考えるところからでも構いません。

本記事は公表情報をもとに整理しています。
最新の省令・運用要領については、出入国在留管理庁などの公式情報をご確認ください。