製造業の外国人受け入れ体制の作り方|配置・教育・多能工化の設計手順

製造業の外国人受け入れ体制の作り方|配置・教育・多能工化の設計手順

「人は決まった。で、うちは何を準備すればいいのか」
——製造業の受け入れ相談で、よく聞く質問です。

在留資格や紹介会社は比較できても、その人をどのライン・工程に配属し、誰が指導するのかまで決まっている企業は多くありません。
「人手の足りない工程にとりあえず1人入れる」だけでは、配属後に現場が混乱することがあります。

外国人材の受け入れ体制とは、設備や制度だけではなく、「誰が・何を・いつまでに」を決めた状態です。
配属する班と工程、OJT担当者、作業手順書の翻訳範囲、単独作業の判定者と時期、3年後に身につける技能。
この5つを採用前に決めておくと、配属後の混乱を減らせます。

本記事では在留資格の選び方ではなく、製造業で共通して必要となる社内の受け入れ設計を、統計と法令をもとに手順化します。

G-Star HR Link株式会社は、浜松の製造業を中心に、ネパール人材の紹介と受け入れ支援を行っています。
創業者は輸送用機器メーカー出身のエンジニアです。
当社自身も外国人スタッフを直接雇用し、受け入れる側としての実体験をもとに、現場で役立つ情報をお届けしています。

外国人材の受け入れ体制はどう作る?|採用前に決める配属・教育・安全の基本

体制とは「紙に書いてある状態」のこと

「体制は整っていますか」と聞かれて、すぐに答えられる会社は多くありません。
ここでいう体制とは、法令上の定義ではなく、受け入れ後の役割を具体的に決めた状態です。
例えば、次の5点を名前と日付まで含めて書けるか確認してみてください。

  • 配属先のライン・班と班長

  • 最初の1か月のOJT担当者

  • 翻訳する作業手順書と対象言語

  • 単独作業の判定者と判定時期

  • 1年後・3年後に目指す担当工程

空欄のまま入国日を迎えると、「誰が教えるのか」を配属初日に決めることになりがちです。
経営層と現場の認識をそろえるためにも、採用前に書面化しておきましょう。

製造業は外国人雇用の最大セクター|労災も最多

厚生労働省によると、令和7年10月末の外国人労働者は257万1,037人。
そのうち製造業は63万5,075人(24.7%)で最多です。
輸送用機械器具製造業も10万5,846人、前年比23.9%増となっています。

一方、令和6年の外国人労働者の休業4日以上の死傷者6,244人のうち、製造業は2,979人(47.7%)で最多でした。
外国人材の受け入れでは、採用だけでなく、安全教育や作業手順の伝え方まで含めた現場設計が重要です。
出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
同「外国人労働者の労働災害発生状況」(令和6年)

時期別・決めることと担当の一覧

配属先と教育担当は、できるだけ早く決めます。
「班のみんなで見る」は、実務上「誰が見るか分からない」状態になりがちです。
担当者を1人決め、必要なら作業量も調整しましょう。

なお資格選択で迷っている段階なら製造業の外国人採用|在留資格3種の現実解と定着の設計を先にお読みください。

本記事は資格を問わず必要な社内設計に絞ります。

採用前から1年後までを時系列で整理します。
空欄の行は、将来のトラブルにつながる可能性があります。

時期

決めておくこと

担当

つまずきやすい点

採用前
(面接〜入国3か月前)

配属ライン・班・工程/OJT担当者の氏名/住居/通訳の経路/初日の手順

工場長・人事

「現場に着いてから決める」として担当が空席のまま入国日を迎える

配属1か月

雇入れ時の安全衛生教育(労働安全衛生規則第35条の8項目)/手順書の該当ページの翻訳・図解/相談先を2つ提示

班長・OJT担当

危険作業の説明が口頭だけで終わり、理解できたかを確認しない

3か月

単独作業に入れてよい工程の判定/通訳を挟んだ面談/スキルマップの初回更新

班長・雇用労務責任者

判定基準がないまま「まだ早い」で据え置かれる

1年

2工程目の追加とそれに伴う再教育(作業内容の変更に当たる)/等級・手当の見直し/翌年度の受け入れ計画

工場長・人事

工程を増やしたのに教育記録も賃金も更新されない

出典:労働安全衛生規則第35条、厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」をもとに、当社が製造業の受け入れ実務に合わせて整理。

外国人材の配置設計|ライン・班・シフトと教育体制をどう決めるか

製造ラインの同じ班に複数名を並べて配置した受け入れ体制のイメージ

1事業所あたり平均4人という数字が意味すること

厚労省によると、30人未満の事業所は外国人を雇用する事業所の63.1%で、外国人労働者は92万8,267人。
1事業所あたり約4.0人です。30~99人規模でも約8.0人。
外国人雇用の現場は、数十人単位より「数人」で受け入れる事業所が多いことが分かります。

「1人だけ配属」が起こす3つの問題

「まずは1人から」という相談は珍しくありません。

ただ、1人だけを配属すると、①分からないことを聞ける相手が限られる、②教育担当者に負担が集中する、③職場で孤立しやすい、という問題が起こりやすくなります。

特に、十分に確認できないまま自己流で作業すると、品質や安全面のリスクにつながる可能性があります。

1人から始める場合は、社内だけで抱え込まず、近隣企業や同じ紹介会社を通じた人材など、職場外にも相談できる接点をあらかじめ作っておくと安心です。

詳しくは外国人材が定着する会社の共通点|孤立を防ぐ「職場の外」の居場所づくりで扱っています。

班は「人手が足りない班」ではなく「教えられる人がいる班」で決める

配属先は欠員の有無だけで決めず、教育できる環境があるかを確認しましょう。
特に次の順で見ると判断しやすくなります。

  1. 班長が簡潔に指示できるか

  2. 作業手順書が現場の実態と一致しているか

  3. ライン停止などの判断基準が明文化されているか

  4. 教育に充てられる人員の余裕があるか

欠員のある班に配属する場合は、最初は余裕のある班で基本作業を覚えてから移す方法もあります。
夜勤も、最初の数か月は日勤から始めるなど、質問や緊急時の判断がしやすい勤務から段階的に移行するとよいでしょう。
交替勤務の開始時期は、単独作業の判断とも合わせて決めます。

役割は3つに分けて、別々の人に割り当てる

配属時は、次の3役を決めておくと運用しやすくなります。
3人を必ず別々にすることが法令上の要件という意味ではありません。

  • 指示を出す人(班長):作業指示・優先順位を決める

  • 教える人(OJT担当):手順を教え、習得状況を確認する

  • 相談を受ける人(相談先):生活・職場の困りごとを聞く

相談先を班長と分けるのは、別の相談経路を確保するためです。
厚労省の外国人雇用管理指針も、苦情・相談を受け付ける窓口の設置等、体制を整備するよう求めています。

直接雇用か、派遣・請負か

静岡県では、この論点も重要です。
令和7年10月末、外国人労働者88,968人のうち、派遣・請負事業所に就労する人は31,193人(35.1%)で、全国の16.7%を大きく上回ります。
※全員が派遣・請負労働者という意味ではありません。

本記事は自社で直接雇用する場合を扱います。
派遣・請負を併用する工場では、安全衛生教育や作業指示の責任分担が異なるため、配置前に工程ごとの雇用・契約形態と指揮命令系統を整理しておきましょう。

地域の事情は浜松で外国人材を採用するには|製造業の街の人材事情と地元紹介会社の使い方もあわせてどうぞ。

ネパール人材の採用、まずは現状をお聞かせください

ネパール現地に自社の日本語学校・トレーニングセンターを持つ G-Star HR Link が、
貴社のご要望に合わせ、最適な在留資格とスケジュールを無料相談でご提案します。

30分の無料相談を申し込む →

教育の設計|作業手順の伝え方と、「当たり前」がずれる場面

日本人の指導者がネパール人材に紙の作業手順書を指さしながら教えている場面

「5分前行動」は、説明されないまま前提になっているルールの代表例

当社代表の岡本がPodcastで話した、ベトナム勤務時代の体験があります。

「日本人は時間を守らない」と現地スタッフから指摘され、理由を聞くと、「10時に来いと言ったら10時に来る。早く来るのも時間を守っていない」という意味でした。
日本では「10時集合なら5分前」が自然でも、そうとは限りません。

もちろん、これは一つの体験であり、国民性を示す話ではありません。
大切なのは、日本の現場で「当たり前」とされるルールも、説明しなければ伝わらないということです。

例えば、始業何分前に更衣室へ入るか、持ち場を離れる際の声かけ、体調不良時の連絡先と時刻、手が空いたときの動き、ライン停止の判断基準。
日本人の新人が周囲を見て覚えることでも、外国人材には伝わらない場合があります。

「見て覚える」に頼らず、まず10〜15項目程度の「職場の暗黙ルール」を1枚にまとめてみてください。
手順書の翻訳より先に、これが役立つことがあります。

法定の雇入れ時教育は8項目|「作業内容を変更したとき」も必要

安全衛生教育は努力目標ではなく、法令上の義務です。
労働安全衛生法第59条は、労働者を雇い入れたとき、または作業内容を変更したときに、遅滞なく必要な安全衛生教育を行うことを求めています。
教育事項は次の8項目です。

  1. 機械・原材料等の危険性・有害性と取扱方法

  2. 安全装置・有害物抑制装置・保護具の性能と取扱方法

  3. 作業手順

  4. 作業開始時の点検

  5. 業務に伴う疾病の原因と予防

  6. 整理・整頓・清潔の保持

  7. 事故時等の応急措置・退避

  8. その他、業務に必要な安全・衛生事項

見落とされやすいのが「作業内容を変更したとき」です。
行政解釈では、異なる作業への転換や設備・作業方法の大幅な変更を指し、軽易な変更は含まれません。
多能工化で別工程を担当させる場合も、該当するかを確認する必要があります。

なお、十分な知識・技能があると認められる労働者は、教育を省略できる場合があります。

外国人労働者への教育は、母国語等や視聴覚教材など、本人が内容を理解できる方法で行い、機械等の危険性・有害性や取扱方法が確実に理解されるよう留意することが外国人雇用管理指針で示されています。

製造業の外国人労災は「はさまれ・巻き込まれ」が最多

厚労省の令和6年統計では、製造業の外国人死傷者2,979人のうち936人が「はさまれ・巻き込まれ」です。
教育の優先順位を考える材料になります。

事故の型

製造業の死傷者数(人)

教育で先に押さえる場面の例

はさまれ、巻き込まれ

936

回転部・可動部への手出し、非定常作業時の停止手順

切れ、こすれ

388

刃物・バリ取り・工具交換、手袋の使用可否

転倒

356

床の油・水、通路の資材、履物の指定

動作の反動、無理な動作

309

重量物の持ち方、2人作業の合図

飛来、落下

248

棚上の保管、保護具の着用範囲

製造業 合計

2,979

—

出典: 厚生労働省「令和6年 労働災害発生状況について」(労働者死傷病報告)。右欄は当社による整理

「はさまれ・巻き込まれ」は、詰まり除去や清掃など非定常作業での対応を先に確認しましょう。
右欄は当社の教育例です。
定常作業だけでなく、停止・復旧の手順も図や文章で残します。

作業手順書の言語をどう決めるか|全訳しない

「手順書を全部翻訳する必要がありますか」とよく聞かれます。
全訳すると費用も時間もかかり、更新が追いつかず、現場の手順と古い翻訳がずれることもあります。
大切なのは、すべてを訳すことではなく、危険度と重要度で範囲を決めることです。

  1. 止める・逃げる・呼ぶ——非常停止、退避経路、異常時の連絡先

  2. けがにつながる操作——保護具、可動部、工具交換、危険物の取扱い

  3. 品質に直結する判断——合格・不合格の写真や現物見本

  4. 日常の手順——やさしい日本語、番号、写真など

特に安全に関わる内容は、本人が確実に理解できる方法で伝えることが重要です。
1文を短くし、1文1動作、数字や写真を使う。
こうした見直しは、外国人材だけでなく日本人の新人にも分かりやすい手順書につながります。

教え方の型|「見せる・やらせる・確認する」を誰がやるか

中身だけでなく、誰がどの段階を担当するかを決めておきます。

  • 見せる:OJT担当が実演し、手順書の該当箇所も指さす。口頭だけにしない

  • やらせる:本人に実際に作業してもらい、OJT担当が横で確認する。最初は時間を測らない

  • 確認する:班長が別途チェックする。教えた人と確認する人を分けると、客観的に判断しやすくなります

「分かりましたか?」だけで終わらせず、本人に手順を説明してもらうか、実際にやってもらいましょう。

やってもらうか、手順を本人の言葉で説明してもらうと実際の理解度が見えます。
日本人側の負担配分や現場の合意形成は外国人材の受け入れで社内がギクシャクしないために|社長と現場の温度差で扱っています。

多能工化とキャリアの設計|3年で何ができるようにするかを先に決める

技能継承の主力は、いまも「高齢者の継続勤務」

2026年版ものづくり白書(経済産業省・厚生労働省・文部科学省、令和8年5月)によると、技能継承の取組では「再雇用や勤務延長などにより高年齢の従業員に継続勤務してもらう」が54.8%で最多でした。

製造業の就業者数も2025年に1,033万人へ減少し、中小製造業の従業員数過不足DIはマイナス17.9です。

高齢者の継続勤務は重要ですが、それだけに頼るのではなく、次の担い手へ技能を移す設計も必要です。
外国人材を「人手の穴埋め」だけでなく「技能を引き継ぐ側」として育てるなら、3年後に担当できる工程や技能を採用時から決めておきましょう。

スキルマップに、最初から名前を載せる

多能工化の管理には、スキルマップ(力量表・多能工マップ)が使われます。
工程を縦、人を横に並べ、習熟度を段階で管理する表です。
外国人材も入社時から名前を載せ、最初は空欄でも育成対象として位置づけます。

  • 塗る基準:「できる」の定義を決める。時間、不良率、単独作業の可否など、基準をそろえる

  • 更新の時期:3か月・6か月・1年など、あらかじめ決める

  • 判定する人:OJT担当者とは別に、班長などが確認する

工程を増やす順番|安全→品質→段取り

2工程目・3工程目を増やす順番に、法令上の決まりはありません。

実務では、①同じ班で危険度が同等以下の工程、②見本などで合否を判断しやすい品質工程、③段取り替え・治具交換など判断を伴う非定常作業、の順に広げる方法があります。

③では、作業内容の変更に当たるか確認し、該当する場合は安衛則第35条の安全衛生教育を行います。
順番を決めておくと、現場ごとの判断差を減らせます。

評価と待遇に、どう結びつけるか

工程が増えたのに賃金が変わらない状態は、遅かれ早かれ不満になります。
厚生労働省の指針も、適切な人事管理として「職場で求められる資質、能力等の社員像の明確化、評価・賃金決定、配置等の人事管理に関する運用の透明性・公正性の確保等」に努めることを求めています。

実務ではスキルマップの段階と等級または手当を対応させるのが最も分かりやすい方法です。
「3工程を単独でできる=多能工手当◯円」とすれば、次に何をすれば待遇が上がるかが本人に見えます。
日本人社員と別建ての基準にしないことが前提です。
賃金・割増賃金は「もっと残業したい」と言われたら|外国人材の給与設計と36協定の線引きで整理しています。

「3年で何ができるか」を、採用前に言葉にしておく

実務では、スキルマップの段階と等級・手当を対応させる方法があります。
「3工程を単独で担当できれば手当○円」など、次の目標と待遇の関係を見えるようにします。
外国人だから別基準にするのではなく、職務・能力に応じた基準にしましょう。

賃金・割増賃金は「もっと残業したい」と言われたら|外国人材の給与設計と36協定の線引きで整理しています。

習得した工程を可視化して多能工化の進み具合を管理するスキルマップの掲示板

社内の役割分担|誰が指示を出し、誰が生活面を見るか

現場の指示系統と、生活の相談窓口を分ける

生活面の相談は、住まい・病院・役所の手続きなど幅広いため、現場の評価とは切り分けて相談できる窓口を設けると安心です。

総務・人事など担当者を決め、配属後3か月は月1回、その後は3か月に1回など、面談日を先に設定しておきます。
「何かあったら言って」だけではなく、定期的に確認する仕組みにしましょう。

なお、外国人労働者を常時10人以上雇用する事業主は、外国人雇用管理指針に基づき、雇用労務責任者の選任が必要です。

外注できるもの、社内に残すもの

住居・家具家電・通信環境・銀行口座・市役所の手続きなどは、配属日から逆算して準備します。
現場の教育とは時間軸が違うため、採用担当と別に準備担当を決めると進めやすくなります。
詳しくは外国人材の受け入れ準備チェックリスト|住居・Wi-Fi・スマホの技適までをそのまま使ってください。

支援業務の一部は登録支援機関などに委託できますが、社内に残す業務もあります。

  • 外注しやすい:生活オリエンテーション、行政手続きへの同行、相談対応、定期面談などの支援業務

  • 社内に残す:作業指示、安全衛生教育、作業手順書の管理、単独作業の判断、スキルマップ、評価・賃金の決定

工程や人事を知る必要がある業務は社内で担い、支援業務を委託して役割を分けると、現場は教育に集中しやすくなります。

委託費の相場と内訳は登録支援機関の費用相場|月額委託費の内訳と、安い見積書で起きることをご覧ください。本記事では金額には立ち入りません。

定着まで含めて「体制」と呼ぶ

採用は入口であって、目的ではない

当社代表の岡本は、外国人採用で重要なのは採用後の定着だと考えています。
採用をゴールにせず、その人が現場で力を発揮する状態を目指す。

受け入れ体制も同じです。
配属先を決める目的は配属日を迎えることではなく、3年後に戦力となり、現場が「次も採りたい」と思える状態をつくること。
1人目の経験が、次の採用判断にも影響するというのが私たちの実感です。

職場の中だけでは、定着は完結しない

体制という言葉を、職場の中だけに閉じないことも大切です。
休日の過ごし方、母語で話せる相手、体調を崩したときの受診など、生活面の環境も定着に関わります。

厚労省の指針も、日本語教育や生活習慣への理解、地域活動への参加機会、行政・医療機関などの情報提供や同行を生活支援として挙げています。
当社が浜松でAsian Mart & Cafeを運営し、月1回の交流会を開いているのも、職場の外からこうした環境を支えるためです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 受け入れ体制の準備は、いつから始めればいいですか?

A.配属先の班とOJT担当者は、できれば面接前に決めておきましょう。
作業内容を具体的に説明でき、現場責任者にも同席してもらいやすくなります。
住居や手順書の準備は入国3か月前を目安に、まず配属と教育体制を固めておくと安心です。

Q2. 手順書の翻訳は、どの言語で用意すべきですか?

A.本人が理解できる言語を優先しますが、全訳が必須というわけではありません。
安全に関わる部分は母語等で確実に伝え、それ以外はやさしい日本語や写真・図解を活用する方法があります。
複数国籍の職場では、共通の図解を基本に、必要な箇所だけ各言語を加えると更新しやすくなります。

Q3. 1人だけの受け入れは、やはり避けたほうがいいですか?

A.1人からの受け入れも可能ですが、複数人のほうが教育や相談の体制は組みやすくなります。
1人の場合は、相談しやすい日本人を同じ班に置く、面談を増やす、社外で同じ立場の人と交流できる場をつくるなどで補います。
30人未満の事業所では、外国人労働者は1事業所あたり約4人です。
2人目以降も検討しながら受け入れ体制を設計しましょう。

まとめ

  • 体制は「誰が・何を・いつまでに」を決めること
    配属先、OJT担当、手順書の言語、単独作業の判定者、3年後の目標を採用前に決める。

  • 配置は「教えられる班」を優先する
    指示・教育・相談の担当を決め、必要に応じて役割を分ける。

  • 教育は法定8項目を土台にする
    作業内容を変更したときも対象となるため、多能工化では該当するか確認します。
    製造業の外国人死傷者は「はさまれ・巻き込まれ」が最多で、非定常作業も先に整理する。

  • 多能工化はスキルマップから始める
    入社時から名前を載せ、判定基準・更新時期・判定者を決め、等級や手当との連動も検討する。

  • 採用は入口にすぎません
    配置・教育・技能習得・定着までをつなげて設計してこそ、受け入れ体制になる。

次に読むべき記事:

本記事の制度に関する記述は、公表されている情報をもとに整理したものです。
最新の省令・運用要領については、必ず出入国在留管理庁等の公式情報をご確認ください。

体制は、いまの現場図の上に線を引くところから作れます

「うちはどこから手をつければいいのか」と思われたかもしれません。
実際には、ゼロから作る必要はありません。

すでにある配置図、作業手順書、スキルマップを使い、どの工程に誰を置くか、どのページを何語にするか、いつ次の工程へ進めるかを書き込んでいきます。
新しい制度を導入するというより、今ある仕組みに必要な列と行を足す作業です。

配属先や翻訳範囲、3年後の姿が決めきれない場合は、お問い合わせから現場の状況をお知らせください。
元エンジニアの創業者と、外国人スタッフを自社で雇用する立場から、現場の図面や手順書を見ながら一緒に整理します。
採用前のご相談も歓迎しています。