
育成就労制度の施行(2027年4月1日)を前に、監理支援機関の許可の施行日前申請が2026年4月15日から受け付けられています。外国の送出機関(いわゆる送り出し機関)から取次ぎを受けるなら、受入れ予定国の送出機関と契約し、その名称を申請書に書く必要があります。今の送出機関のままでよいのか、見直すべきか。組合の担当者がいま向き合っているのは、この判断です。しかも育成就労では、就労開始までにA1相当の日本語を身に付けることが前提とされ、その後も水準が段階的に上がります。日本語の要件をどこで満たすのかは、送出機関選びと切り離せなくなりました。
結論から言うと、確かめることは3つです。①原則としてMOC(二国間取決め)を作成した国の送出機関から選ぶ。②外国政府認定送出機関一覧の「認定」「暫定」の別と掲載・更新日を読み、暫定の国なら許可までの道筋を確かめる。③入口の日本語要件を満たす人材を出せるかを、契約の前に確かめる。本記事ではこの3点に、費用と契約の確認事項と、見直し用のチェックリストを加えて整理します。
私たちG-Star HR Linkは、浜松を拠点にネパール人材の紹介と受入れ後の支援を行う会社で、ネパール現地に自社の日本語学校とトレーニングセンターを持っています。制度の記述は2026年10月2日時点で公表されている一次情報(外国人技能実習機構・出入国在留管理庁など)にもとづいて書き、当社の取り組みは終盤の1節にまとめました。
育成就労で送出機関を使える国は?|MOC作成国が原則

原則として、MOCを作成した国からのみ受け入れる
育成就労制度は、2024年(令和6年)6月21日に公布された改正法で創設され、2027年(令和9年)4月1日から運用が始まるとされています。制度の全体像は育成就労制度とは|2027年4月開始の新制度を採用企業向けに整理で扱っています。
育成就労制度運用要領(2026年8月5日一部改正)は、外国の送出機関から取次ぎを受ける監理型育成就労について、悪質な送出機関を排除し、適正な送出しを確保するため、原則として、日本政府と送出国政府の間でMOCを作成している国からのみ受け入れることができるとしています。送出機関を比べる前に、まず送出国がMOC作成国かを確かめる。これが最初の順番です。
2026年10月2日時点で、育成就労のMOCを作成している国はウズベキスタン、スリランカ、タイ、ラオスの4か国です。
出典:出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領」第4章第2節第13、同「育成就労に関する二国間の協力覚書」
MOC作成国では、送出国政府が送出機関を確かめる
MOC作成国では、送出国政府が育成就労法施行規則(以下「規則」)第20条の要件を満たしているかを確かめ、満たすと認めた機関が「外国政府認定送出機関」としてリストに載ります。運用要領は、このリストに記載がない送出機関から取次ぎを受けたものは、育成就労計画の認定を受けられないとしています。
申請書に送出機関を書くときは、外国人技能実習機構(OTIT。育成就労制度のもとでは外国人育成就労機構)が付ける送出機関番号(英字3桁・数字6桁の9桁)も記載します。計画認定の書類は育成就労計画の認定申請|2026年9月1日開始・施行日前申請で揃える書類で扱っています。
なお、OTITは、技能実習と育成就労で別々の送出機関一覧を公表しています。技能実習で長く付き合ってきた送出機関でも、育成就労の一覧に載っているかは別に確かめる必要があります。
一覧に載っていても、外れることがある
外国政府認定送出機関でも、規則第20条の要件に適合しないことが明らかになれば、その機関からの受入れは認められません。運用要領は、送り出した育成就労外国人の行方不明事案を多く発生させている送出機関は、要件に適合しないと判断される場合があるとしています。掲載は出発点で、選ぶための基準はその先にあります。
「認定」と「暫定」はどう違う?|外国政府認定送出機関一覧の読み方

「認定」は、MOC作成後に正式なリストが出た国
OTITの「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」には、国ごとに「認定」か「暫定」かが表示されています。注記によれば、MOCを作成した後、送出国から正式に認定送出機関リストが提出された国が「認定」、それ以前の国が「暫定」です。
「暫定」のリストは、MOCを作るための協議中の国から出される、認定送出機関となることが見込まれる機関のリストです。暫定リストへの掲載は、認定を約束するものではありません。一覧には「過去に認定されていた機関」の欄もあり、掲載は固定ではありません。
2026年10月2日時点:16か国のうち「認定」は4か国
2026年10月2日時点で一覧に載っているのは16か国です。「認定」はウズベキスタン、スリランカ、タイ、ラオスの4か国で、残る12か国は「暫定」です。
| 送出国 | 種別 | 掲載・更新日 | MOC作成日 |
|---|---|---|---|
| ウズベキスタン | 認定 | 2026年8月18日 | 2026年6月29日 |
| スリランカ | 認定 | 2026年9月17日 | 2026年7月23日 |
| タイ | 認定 | 2026年9月2日 | 2026年6月2日 |
| ラオス | 認定 | 2026年9月2日 | 2026年8月31日 |
| インドネシア | 暫定 | 2026年9月30日 | - |
| カンボジア | 暫定 | 2026年4月7日 | - |
| キルギス | 暫定 | 2026年9月7日 | - |
| タジキスタン | 暫定 | 2026年7月24日 | - |
| ネパール | 暫定 | 2026年10月2日 | - |
| パキスタン | 暫定 | 2026年7月24日 | - |
| バングラデシュ | 暫定 | 2026年9月17日 | - |
| 東ティモール | 暫定 | 2026年6月11日 | - |
| ブータン | 暫定 | 2026年7月28日 | - |
| フィリピン | 暫定 | 2026年7月13日 | - |
| ベトナム | 暫定 | 2026年8月6日 | - |
| ミャンマー | 暫定 | 2026年9月17日 | - |
出典: 外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」(2026年10月2日確認)。掲載・更新日は国ごとのリストの日付、「-」はMOC作成日の記載がないもの。
一覧は随時更新されます。契約先の名称と送出機関番号が最新のリストにあるかは、申請の直前にも確かめておくと確実です。
「暫定」の国の送出機関で許可申請をするときの注意
OTITは、MOCを協議中の国の送出機関が関わる監理支援機関の施行日前申請では、暫定送出機関リストに載っている機関を申請書に記載するよう案内しています。そのうえで、次の2点に注意を促しています。
- 監理支援機関の許可は、その国から正式に認定送出機関リストが提出された後になされる。
- 暫定リストに載っていても認定リストに載らなかった送出機関と契約している場合や、その国とのMOCが作成に至らなかった場合は、その送出機関が申請書に記載されたままでは許可ができない。
暫定の国の送出機関を申請書に記載すると、許可はその国の認定リストが提出された後になり、認定リストに載らなければ、記載のままでは許可されません。暫定の国を選ぶなら、一覧の更新を追う担当者を決め、2026年12月28日の変更申出の締切(後述)までに一覧の動きを確かめておくのが現実的です。許可申請の全体像は監理支援機関の許可申請|監理団体が2027年4月までに取り直すものにまとめています。
MOCを結んでいない国から受け入れられる例外|単独型と密接な取引関係にある機関からの雇用
送出機関を介さない形態は、MOC作成国以外からも受け入れられる
MOC作成国に限る原則には例外があります。2026年8月5日の運用要領の一部改正で、次の説明が加わりました。
なお、単独型育成就労及び取引上密接な関係を有する外国の公私の機関の外国にある事業所の職員である外国人を雇用する形態の監理型育成就労については、送出機関を介さずに外国にある子会社等や海外取引先等から外国人を直接受け入れる形態であることから、その趣旨を踏まえ、MOC作成国以外の国・地域からの受け入れも許容されます。
MOCに限る仕組みは、送出機関を介した受入れを適正にするためのものです。海外の子会社や、取引上密接な関係のある取引先から直接受け入れる形態は、この制限の対象外とされています。
「取引上密接な関係」と、勤務期間の要件
「取引上密接な関係を有する外国の機関」は、規則第2条で、日本の機関と引き続き1年以上の国際取引の実績、または過去1年間に10億円以上の国際取引の実績がある機関などとされています(国際的な業務提携などで出入国在留管理庁長官・厚生労働大臣が認める機関も含みます)。
本人にも要件があります。単独型ではその外国の事業所で継続して1年以上働く常勤の職員が転勤・出向する形、取引上密接な関係による監理型ではその事業所で継続して1年以上業務に従事していたことが求められます(規則第13条第2項第3号)。
送出国の法令の確認は、申請の前に
日本側で認められていても、送出国の法令によっては、送出機関を介さない日本への送出しが違法とされる場合があります。運用要領は、申請の前に育成就労実施者が送出国の法令を確認するよう求めています。送出機関を使わないから手続きが簡単、とは考えず、日本側と送出国側の両方を確かめてから計画を組むことになります。
育成就労の日本語要件は、送出機関を選ぶ段階で確かめる

就労開始・転籍・修了で段階的に上がる日本語の水準
育成就労では、日本語の水準が段階ごとに決められています。出入国在留管理庁の資料では、就労を始めるまでに「日本語教育の参照枠」のA1相当以上の試験(JFT-Basic、JLPTのN5等)に合格するか、それに相当する日本語講習を受講すること、本人の意向による転籍には分野ごとに設定された水準(多くの分野でA2.1相当以上)、育成就労の修了時には特定技能1号と同じA2.2相当以上(JFT-Basic、JLPTのN4等)が示されています。A2.2は参照枠のA2にあたるレベル、A2.1は「A1に到達し、かつA2.2到達に向けて学習が進展しているレベル」とされています。
分野による違いもあります。介護分野では育成就労を開始するまでにA2.2相当以上が求められます。鉄道分野の運輸係員の業務区分も、開始時の水準が高く設定されています(各分野の運用方針)。
| 時点 | 多くの分野 | 介護分野 |
|---|---|---|
| 就労開始まで | A1相当以上の試験に合格、または相当する日本語講習を受講 | A2.2相当以上 |
| 開始から1年経過時まで | A1相当以上 | A2.2相当以上と日本語学習プラン(B1相当以上なら作成不要) |
| 本人意向の転籍時 | A2.1相当以上 | A2.2相当以上 |
| 育成就労の修了まで | A2.2相当以上 | A2.2相当以上と介護特定技能評価試験(日本語) |
出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度」掲載の「育成就労制度の概要(令和8年7月改訂)」、外国人技能実習機構「分野別運用方針・告示・運用要領等」掲載の介護分野の運用方針。鉄道分野の運輸係員は、開始まで・1年経過時・転籍時がA2.2相当以上、修了時がB1相当以上。
日本語を育てる措置は、受入れ側の義務
出入国在留管理庁は、就労開始前のA1相当講習と、修了までにA2相当を目指すA2目標講習について、受入れ企業(育成就労実施者)等が費用負担を含めて受けさせるための措置をとることが義務付けられている、と説明しています。運用要領の定めは次のとおりです。
- 申請時点でA1相当の試験合格を証明できない場合:入国後講習の日本語科目で、認定日本語教育機関の「就労のための課程」によるA1相当講習を100時間以上受講する(入国前講習で行うことも可。当面は登録日本語教員による講習も可)。
- 入国後講習の総時間:計画認定の申請時点でA1相当の試験合格を証明できない場合は320時間以上、できる場合は220時間以上(過去6か月以内に、入国前講習を160時間以上〈試験合格を証明できる場合は110時間以上〉受けた場合は、それぞれ160時間・110時間以上)。監理型(取引上密接な関係による形態を除く)では、監理支援機関またはその委託先が実施します。介護など一部の分野では、日本語の講習時間などに上乗せがあります(各分野の運用方針)。
- 就労中:3年間でA2目標講習を100時間以上受講できるよう、育成就労実施者が機会を設け、本人の希望に応じて講習費用を負担することが求められます。機会を与えなかった場合は、計画認定の取消し等の対象になるとされています。
つまり、候補者が計画認定の申請時点でA1相当の試験に合格しているかで、組合が組む入国後講習の時間と中身が変わります。日本語の到達度は来日後の話ではなく、送出機関を選ぶ段階の確認事項です。修了時のA2.2相当と特定技能への移行の関係は育成就労から特定技能へ|移行要件はA2.2相当、3年で育てる採用設計で扱っています。
出典:出入国在留管理庁「日本語教育機関の講習提供状況一覧表(令和8年6月時点)について」(講習を頼める日本語教育機関の一覧も掲載)、同「育成就労制度運用要領」第4章第2節第3
送出機関に確かめたい日本語の項目
- 来日前の学習期間と時間数:どの教材で、週に何時間、何か月学ぶ設計か。
- どの試験を、いつ受けるか:JFT-Basicは原則毎月実施され、得点と判定は受験当日に分かります。JLPTは年2回の実施です(国際交流基金)。試験日程が入国時期を左右しないか。
- 合格の記録を出せるか:JFT-Basicの判定結果通知書やJLPTの合否結果通知書や日本語能力認定書で確かめられるか。JFT-Basicは2026年8月からA1・A2.1も判定しており、2026年7月までに受験した分は、200点以上ならA2.2(A2)の証明に使えるとされています。
- 面接の時点で何がそろっているか:試験の結果が出た候補者か、まだ学習中か。
- A1相当講習が要る場合の段取り:入国前と入国後のどちらで、どの機関が行う想定か。
- 開始時からA2.2相当が要る分野:介護などを扱うなら、その水準の候補者を出せるか。
出典:国際交流基金「JFT-Basicとは」「よくある質問」。送出国側の日本語学校の教え方の違いは海外の日本語学校の実態|全寮制「軍隊形式」と通学制で人材はどう変わるかでも触れています。
送り出し機関の見直し、まずはお話を聞かせてください
ネパール現地に自社の日本語学校・トレーニングセンターを持つ G-Star HR Link が、日本語教育の体制や実績データを含めて、具体的にご説明します。
費用と契約で確かめること|手数料の上限・本人負担・取次ぎ契約
本人が送出機関に払う費用は、報酬月額の2か月分まで
育成就労外国人が外国の送出機関に払う費用には上限があります。規則第21条は、育成就労計画に記載された報酬の月額に2を乗じて得た額を超えないこととしています。上限を超える分は本人に負担させられず、超過分は受入れ側が負担する考え方です。
ここでいう報酬は所定内賃金の月額で、時間外・休日・深夜の手当は含みません。2026年8月の改正で、雇用契約書・雇用条件書(参考様式第1-2号)の「Ⅶ.賃金」項番3の金額が所定内賃金にあたることが明記されました。外国通貨で払った費用は、財務省が公表する出納官吏レートで円に換算します。
上限の対象は「送出手数料」だけではない
上限の対象は、費目を問わず、送出しの過程で本人が送出機関に払った一切の費用です。運用要領は、送出手数料・職業紹介費、健康診断費用、職業訓練・研修・日本語講習費、渡航費、旅券・査証申請費用、一般管理費などを例に挙げています。送出機関と連携する教育機関への講習費や、送出機関の委託や連携による仲介人への募集費のように、送出機関への支払いと同視できる費用も対象です。
計画の認定後に上限を超える費用を払った場合も、認定取消しの対象になります。本人が払った費用は送出機関の領収書などで確かめ、申請では「育成就労の準備に関し本国で支払った費用の申告書」(参考様式第1-10号)を出します。本人の借金が離職につながる構造はネパール人は本当に辞めにくいのか|送金責任と借金構造から考える定着で扱っています。
日本語の事前学習の費用は、誰が持つかを先に決める
A1相当の講習や入国前講習の費用は、受入れ側が費用負担を含めて措置をとるものとされ、本人に負担させることはできません。本人の負担になり得るのは入国前講習にあたらない事前の日本語学習の費用で、その場合も2か月分の上限の枠に入ります。受入れ側が持つ場合、監理支援機関は、送出機関に払う費用(入国前講習にあたらない日本語学習などの事前講習の費用を含む)を、監理支援費の「職業紹介費」として実費の範囲で育成就労実施者から徴収できるとされています(規則第56条、運用要領第5章第5節)。一方、監理支援費を本人に直接・間接に負担させることは禁じられており、入国前講習の費用を「講習費」として本人が送出機関に払う形もその例として挙げられています(運用要領第4章第2節第10)。
取次ぎ契約と許可申請で確かめること
- 保証金・違約金がないこと:送出機関が本人や家族の財産を管理したり、違約金の契約をしたりしていないことを確かめ、その旨を取次ぎ契約書に記載する(規則第67条第5号)。失踪や途中帰国について、監理支援機関と送出機関の間で違約金を定める契約も認められません。
- 送出管理費の送金口座:取次ぎ契約書には、送出管理費を送金するときに使う監理支援機関と送出機関の双方の口座の情報を記載する必要があるとされています。
- 監理支援費以外を受け取る定めがないこと:監理支援機関が送出機関から監理支援費以外の手数料や違約金を受け取る定めがあると、別の覚書で交わした場合も含め、不許可や許可取消しの対象になるとされています。
- 費用の公表:本人と監理支援機関から取る費用の算出基準を、インターネットなどで公表しているか(規則第20条第4号)。
- 許可申請の添付書類:送出機関の概要書、取次ぎ契約書の写し、費用の算出基準を記載した書類、送出機関が自国の公的機関から推薦を受けていることを示す書類などを出します(規則第43条第1項第10号)。
- 対象者ごとの推薦状:出入国在留管理庁は、育成就労外国人ごとの推薦状を発行することとしている国としてインドネシア、カンボジア、キルギス、ベトナム、ラオスを挙げており、これらの国では計画認定の申請時に対象者ごとの推薦状が必要です。
外部監査人にも制限があり、取次ぎを受ける送出機関の役職員と、過去5年以内にその立場だった人は外部監査人になれません(規則第47条第2項第3号ホ)。人選は外部監査人は誰に頼めるか|監理支援機関の要件・監査頻度・依頼の時期にまとめています。
出典:出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領」第4章第2節第10・第13・第14、第5章、同「育成就労制度に係る施行日前申請」、外国人技能実習機構「よくあるご質問(監理支援機関の許可申請関係)」
送り出し機関を見直すときのチェックリスト
見直すなら、時期も大事です。監理支援機関の許可の施行日前申請は2027年3月31日まで受け付けられ、OTITは、記載事項に変更の予定があれば、あらかじめ変更してから申請するよう求めています。申請後に送出機関の追加・削除などの変更が生じたときは変更の申出を行い、2026年12月28日(機構必着)までに出さなければ、変更前の内容で審査されるとされています。締切の後に送出機関を加える場合は、施行日以降に許可を受けてからの変更の届出になり、その手続が終わるまで育成就労計画は認定されないとされています。
| 確認項目 | 確かめること |
|---|---|
| 送出国のMOC | 育成就労のMOCを作成済みか(2026年10月2日時点で4か国) |
| 一覧の種別と掲載 | 「認定」か「暫定」か。契約先の名称と送出機関番号が最新のリストにあるか |
| 暫定の場合の備え | 認定リストに載らない、MOCに至らない場合の代わりの手当てを決めているか |
| 費用の公表 | 本人・監理支援機関から取る費用の算出基準を、インターネット等で公表しているか |
| 本人負担の総額 | 費目を問わず報酬月額の2か月分以内か。領収書で確かめられるか |
| 保証金・違約金 | ないことを確かめ、取次ぎ契約書に記載したか |
| 契約書の記載 | 送出管理費の送金口座(双方)を記載したか。監理支援費以外の手数料などを受け取る定めや覚書がないか |
| 日本語の事前学習費 | A1相当の講習・入国前講習の費用を受入れ側で持つ形か。それ以外の事前学習を本人負担にするなら、上限の枠に含めて計算したか |
| 日本語の到達度 | 面接の時点で、どの試験のどの判定を持っているか。記録を出せるか |
| 日本語の学習体制 | 来日前の学習期間・時間数。A1相当講習が要る場合の実施者 |
| 対象者ごとの推薦状 | 対象者ごとの推薦状を発行する国か。取得の手順と時期 |
| 行方不明の発生状況 | 送り出した人の行方不明事案が多くないか |
| 外部監査人 | 送出機関の役職員や、過去5年以内にその立場だった人を選んでいないか |
出典: 外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」「監理支援機関許可施行日前申請」「よくあるご質問(監理支援機関の許可申請関係)」、出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領」第4章・第5章をもとに当社作成。
ネパールの今の扱いと、当社の取り組み
ネパールは「暫定」、MOCは未作成(2026年10月2日時点)
私たちが専門とするネパールは、2026年10月2日時点で、OTITの育成就労の一覧では「暫定」です。掲載・更新日は同日で、MOC作成日の欄は「-」です。同日付の暫定送出機関リストには645の機関が載っています。ネパールの送出機関で許可申請をする場合も、先に見た「暫定」の扱い(許可は正式な認定送出機関リストの提出後)がそのまま当てはまります。
面接の時点で、JFT-Basic A2(JLPT N4相当)を取得済みの候補者が参加します
当社は、ネパール現地にある自社の日本語学校で教育を行い、面接の時点でJFT-Basic A2(JLPT N4相当)を取得済みの候補者が面接に参加します。JFT-BasicのA2は、2026年8月からの判定区分ではA2.2(A2)にあたり、多くの分野で育成就労の修了時に求められる水準です。教育機関での学習期間は4か月〜1年、平均でおよそ半年で、面接の後は技能教育が中心になります。
日本語試験に主にJFT-Basicを使うのは、JLPTが年2回の実施で、ネパールでは受験定員も限られるためです。入国の時期が試験日程に左右されないようにしています。G-Star Group全体としての日本向け紹介人数は、2025年に252名でした。うち技能実習が80名で、最も多かったのは介護の88名です(介護は、育成就労では開始時からA2.2相当が求められる分野です)。
送り出し機関の見直しを検討している監理支援機関の方には、日本語教育の体制や実績データを含めて、具体的にご説明します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「暫定」の国の送出機関と契約して、施行日前申請をしてもよいですか?
OTITは、MOCを協議中の国については、暫定送出機関リストに載っている機関を申請書に記載して申請するよう案内しています。ただし許可は、その国から正式な認定送出機関リストが提出された後とされています。認定リストに載らなかった場合やMOCに至らなかった場合は、記載のままでは許可されないため、一覧の更新を追う前提で進めることになります。
Q2. ネパールとのMOCはいつ作成されますか?
2026年10月2日時点で、ネパールは育成就労のMOC作成国ではなく、OTITの一覧にもMOC作成日の記載はありません。MOCの作成状況は、OTITと出入国在留管理庁のMOCのページで公表されています。最新の状況は、一覧の掲載・更新日とあわせて確かめてください。
Q3. 候補者の日本語は、JLPTとJFT-Basicのどちらで確かめればよいですか?
どちらも使われます。出入国在留管理庁の資料では、就労開始時のA1相当にJFT-BasicやJLPTのN5等、修了時のA2.2相当にJFT-BasicやJLPTのN4等が挙げられています。たとえばビルクリーニング分野の運用要領の別表では、転籍時のA2.1相当に、JFT-BasicのA2.1相当以上またはJLPTのN4以上が示されています。分野ごとの試験は、各分野の運用要領で確かめてください。
Q4. 日本語の力が高い人ほど、早く転籍してしまいませんか?
本人の意向による転籍には、分野ごとに1年または2年の転籍制限期間を過ぎていること、分野ごとの技能試験と日本語試験(多くの分野でA2.1相当以上)に合格していることなどが要件とされています。日本語の力だけで決まるものではなく、定着は受入れ後の環境づくりとあわせて考える必要があります。分野ごとの線引きは育成就労の転籍ルールと人材流出リスク|分野別1年・2年の線引きから考えるで整理しています。
まとめ
- 原則はMOC作成国から:2026年10月2日時点のMOC作成国は、ウズベキスタン、スリランカ、タイ、ラオスの4か国です。
- 一覧は16か国、うち「認定」は4か国:暫定の国では、許可は正式な認定送出機関リストの提出後です。ネパールは暫定で、MOCは未作成です。
- 例外は送出機関を介さない形態:単独型と、取引上密接な関係による監理型。送出国の法令確認が前提です。
- 日本語は入口から段階的に:多くの分野で、就労開始までにA1相当、転籍時はA2.1相当、修了時はA2.2相当(介護は開始時からA2.2相当)。
- 本人負担は報酬月額の2か月分まで:費目を問わず対象です。A1相当の講習や入国前講習の費用は、本人に負担させられません。
次に読むべき記事
- 監理支援機関の許可申請|監理団体が2027年4月までに取り直すもの——許可の基準と手続き
- 監理団体の許可更新はどうなるか|育成就労への切替と「みなし」の条件——いまの許可との関係
- 育成就労と技能実習の違い|転籍・日本語要件・キャリアパスの変更点——制度の変更点を一覧で
- 育成就労で任せられる仕事の範囲|必須業務3分の1と業務区分の考え方——計画づくりの前提
送出機関の見直しは、順番に確かめれば進められます
確かめることの多さに、気が重くなった方もいるかもしれません。ただ、順番は決まっています。送出国のMOC、一覧の種別と掲載、候補者の日本語、そして費用と契約。この順に一つずつ確かめれば、相手の説明がどこまで具体的かも見えてきます。
ネパールからの受入れや、日本語の要件を満たす人材の確保について個別に整理したい場合は、この記事のすぐ下の窓口からお気軽にご相談ください。
本記事の制度に関する記述は、公表されている情報をもとに整理したものです。最新の省令・運用要領については、必ず出入国在留管理庁等の公式情報をご確認ください。